8月29日 関西に行く自分のために ののがあたしと柚ねえを誘って始めた交換日記なのに 結局あたしはこれをののに渡せなかった、、、。 あたしは本当にダメなお姉さんだったと思う。 今日タイムカプセルを埋めた時だって ののや柚ねぇが笑ってお別れしようとがんばってたのに あたしだけ子供みたいに拗ねてた。 明日からは、ののも柚ねぇもいない生活が始まる。 想像したら不安で消えちゃいそうになるけど きっと大丈夫。 ここに来れば 誠からもらった温もり思い出すことができるから。 9月10日 新しい学園で、新しい生活が始まったのに 気がつくと、誠の家に足を運んでしまう。 チャイム鳴らしてみたけど 誰も出なかった。 当たり前だけど、、、。 9月11日 10月4日 ナナがいた!! やせててビックりした! ソーヤージあげると一生懸命食べてた。 遠くから 眺めてると、涙が出た。 あたしも ナナも 誠たちがいなきゃやっぱりダメなんだ、、、。 12月10日 月華の生活は普通。 あたしは相づち打つぐらいしか出来ないけど いつも一緒にいてくれる友達もできた。 でも男の子から話しかけられる事も多くなって 少し怖い。 きっと望月学園にいた頃は、誠が守ってくれてたんだなあ。 誠は友達できたかな。 女の子の友達ができてたら少し嫌だな。 あーあ。 あたしって嫌な子だなあ。 12月24日 メリークリスマス!! 誠たちが引っ越していなかったら どんなクリスマスかな。 ナナには奮発して お刺身を買ってあげよう。 8月29日 今日で1年目 ナナに触ることはできないけど 近くで一緒にご飯を食べることぐらいは できるようになった。 こんなあたしを見たら、みんな驚くかな? まだ、たった1年しか経ってない。 のの、身長伸びたかな。 柚ねぇ、ちゃんとご飯たべてるかな。 誠は相変わらずエ、、、4かな 3年間って長いね、、、。 9月3日 台風でここのガラスが割れてた。 当たり前だけど、誰も修理してない。 お父さんにお願いしてみたけど 変な顔されちゃった。 調べてみたけど、グラスって高いんだ。 いっぱい割れてたし おこづかいじゃ到底買えそうない。 これから寒くなるのに ナナが風邪ひいたらどうしよう。 10月7日 月華の体育祭はつまんなかった。 みんな日に焼けるのが嫌だって テントの中に入ったっきり。 望月学園の最終の体育祭は 人は少なかったけど ほんと楽しかった。 3月2日 ナナがどこにもいない。 夜間で待ってみたけど戻ってこなかった。 缶詰開けていつもの場所に置いておく。 3月3日 まだ戻ってこない。 学園のなか、静か。 3月4日 3月5日 ナナが帰ってきた!!!!!! でもカンカしたみたい。 たくさん傷ついてた。 あたしを見ても興奮してたけど ののがよくなでてた場所 勇気出してなでてあげたら、落ち着いてくれた。 もうどうか行っちゃヤダよ。 明日はお楽持ってこよう。 8月29日 来年の今日、みんなが来る。 でもタイムカプセル見つけたら、帰っちゃうんだ。 そしたらまた、あたしだけここに取り残される。 あたしのこと、覚えてるかな。 他人行儀にふるわれたらどうしよう。 怖い、怖いよ、、、。 こんな時は誠にぎゅっとしてほしい。 誠に会いたい。 誠になでなでして欲しい。 誠に触れたい。 でも、誠にはきっと 彼女がいるんだろう、、、。 3月17日 あと半年。 最近は毎日、半年後の8月29日を夢見る。 ののと柚ねぇと誠だけが昔みたいに仲良いで あたしだけが取り残されている夢。 でも たとえそれが現実になったとしても 1日でも、1時間でも、1分でも、一緒にいたい。 今日山本先生に送る手紙を書いた。 直接会ってお願いしようかと思ったけど ちゃんと説明できそうにないから やっぱり手紙にした。 4月10日 山本先生から返事が来た。 やっぱり仕事遅い山本先生。 1ヶ月も経ってる。 でもお願いしてたものは、ちゃんと入ってた。 教師からの愛とか あきすこぜねことか すごく山本先生らしい。 ののや柚ねぇが、あたしの事を嫌いになってもいい。 誠に、、、好きな人がいて あたしとした事なんて忘れてもいい。 少しでも長く、みんなといれますように。 7月1日 3年前の写真を見た。 3年前、最終の日。 プールの中で誠があたしに言ってくれた言葉が 私の3年間を支えてくれたのかもしれない。 毎日鏡を見て確認する。 このままの髪型でいる事が あたしの気持ちが変わらない事の証明。 でも、あの頃より少し伸びちゃったな。 よし、明日、あの頃の長さに切りに行こう。 、、、ぴったり一緒は恥ずかしいかもしれないけど。 8月27日 明日で準備は終わりそう。 もし天気が良かったら 明日はバスじゃなくて赤い自転車で来よう。 誠の彼女ってどんな子かな。 きっと、おしてやかでかわいい子なんだろうな。 早く、8月29日になりますように。 夏休みが少しでも長く続きますように。